「美味しい仕掛け人たち」Vol.2

継続にこだわる仕掛け人

富士見堂 代表取締役 
佐々木 健雄さん

協力:メイドイン東京の会/文:塚原智美

減農薬米を玄米の状態で仕入れ、素材の味を大切にしたこだわりの煎餅が評判の富士見堂。うるち米、もち米、黒米など、産地や農法にこだわった素材から自社で生地からつくる煎餅は、季節の味や、江戸東京野菜を取り入れるなど、新しいチャレンジにも貪欲に取り組んでいる。
東京産の食材を中心に生産者・加工業者・消費者をつなぐ「メイドイン東京の会」理事も務める。

今あるものを継続していく難しさ
生産者と消費者の双方に喜んでもらう煎餅づくり

大判の煎餅の焼きは、火力にあわせて場所を入れ替えるなど手間をかけながら、
ほぼ手焼きで行う

まず国内の人にもっと食べてほしい
富士見堂の思う煎餅あれこれ

 うちは米から玄米を仕入れて、生地から作っている煎餅屋です。昔から煎餅屋は作られた生地を買って、自分のところでは揚げたり焼いたりするだけなのが一般的。でもそれだとそれ以上の味を追求できない。そこで、味や形も自由に煎餅づくりをするため、生地から自分のところで作ることにしたんです。

 煎餅ってお菓子のなかでも特別な存在で、まだまだ活躍の場がある。とはいえ、危機感がないわけではありません。後継者問題などで、作り手も減ったりしている。それでも、自分のところが変わらず作り続けていけば、煎餅の需要に対してきちんと届けられる。だからとにかく煎餅屋をしっかり継続していきたい。大きな煎餅屋が目標ではなく、継続できる煎餅屋でありたいんです。

 海外を意識した動きも増えていますが、うちは、今はやらなくていい。それよりも、もっと国内の人に食べてもらったり、煎餅に興味をもってもらうにはどうすればいいのか、っていうのを考えています。

商品棚から奥に続く工場がちらりと見える
構造もお洒落な明るい店内

つくる人、売る人、食べる人、
つながりを大切にした商売の秘訣

 消費者に喜んでもらえることはもちろんですが、生産者のことを考えながら煎餅づくりをしています。例えば、米やゴマを使い続けること。たとえ少量だとしても、ずっと同じ量を買い続け使い続けることで、生産者を支えたいんです。生産者だけでなく、包装の仕事やデザインなどの仕事でかかわっている方とも、長くつながって仕事をしていきたい。例えば、和紙を使ったパッケージなどを使うことで、文化などもつないでいけたら嬉しい。うちは68年目になりましたが、100年企業にするというのもひとつの目標です。同時に、新しい風を取り入れることも大事。商品開発も、社員一丸となって力を入れています。「これを誰かにあげたい」と思って選んでもらえる商品を作り続けたいですね。

富士見堂

  • 住 所:東京都葛飾区青戸3-25-7
  • 電 話:03-3604-5648
  • 営業時間:9:00~18:00 ※日曜休み
  • HP:http://www.fujimidou.com/